Plague
Mask
手作りペストマスク

概要
革製のペストマスクです。ペストマスクキャラを作りたかったのですが、ペストマスクの形がよくわからなかったため、資料用に作り始めました。気付いたら作るのにハマってしまい革細工の用品をそろえて、何度も形を練り直し作り直しを繰り返して今の形となりました。

作る過程
作ろうとしたときに、革細工どう始めればいいのか、マスクなんてどう作っていいかなどを調べて結構苦労したので、ここに素人なりにやったことを軽く書き残しておきます。
道具
大体以下のものがあればできます。左上から
上段
- ボンド(G17)
- OLFAの別たち(革用カッター)
- はさみ
- 円型カッター(目部分の切り抜き用)
- ゴム板(穴あけ時の下敷き、1cm厚くらいは欲しい)
- 蝋引き紐(縫い合わせ用)
- 革用裁縫針
- トコフィニッシュ+ヘラ(革の裏をなんかいい感じにする塗り薬)
- へり磨き(木製の棒みたいなやつ、革の切断面をこすって滑らかにするやつ)
- ハンマー(ハトメやカシメをつける為に使う)
- デザインナイフ(型紙作り用)
下段
- 定規
- ステッチングルーバー(縫う場所の目印をつけるもの)
- ヘリ落し(革の縁をこれで落として手触りをよくする)
- 目打ち(穴あけたり目印つけたり)
- 菱ギリ(糸を通す穴あけ用)
- 菱目打ち(4mm間隔 2山、4山:本来穴あけ用ですが、等間隔の目印付けに使いました。)
- 穴あけパンチ
- カシメ打ち(カシメを留めるための棒)
- カシメ打ち台座(カシメ打ちを使うときの受け台)
その他
- ピンバイス・ドリル(目のレンズの固定用穴あけに使います 1.5~2mm)
- 粘土細工用道具(型作りでちょっと使います。まずは100均のでよいです)
- チャッカマン(糸の終端処理用)
この中で、とりあえず菱ギリだけは切れ味のいいいいやつ買っておいた方が良い感。あとは安かったり無くてもどうにかなるものが多いです。
なお穴あけやカシメ・ハトメ留めはハンマーで叩く作業が発生するため、騒音が酷いです。私は賃貸に住んでいるので壁ドン不可避です。そのためパンチはハンド穴あけパンチを使ったり、

このようなハンドプレス機を使いました。Amazonで中華製が4000円くらいで買えます(ウチが買ったのは[oshhni ハンドプレス機]というやつ。OEMなのでどれ買っても大体同じ。)。装着するコマはAliExpressとかで買えます。コマはM8ネジ、台座は19mm穴に入るというものを買えば装着できます。
材料
使った材料は以下です。
- 粘土(彫塑用粘土が安くて調整しやすくてオススメ)
- マスキングテープ(型紙作り用)
- 画用紙(同上)
- ヌメ革(2mm厚くらいがしっかりしていて良いと思います) 参考:ウチが使ってるやつ(https://www.amazon.co.jp/dp/B07N2V79CX)
- カシメ(デザインによりますが、8~9mmのやつが1種類あればなんとかなります)
- ベルト革(あたま固定具用。ヌメ革の色と合わせると良いです。20mm位が丁度良いかと)
- ベルトバックル(革細工屋さんでお好きなやつを)
- アクリルorポリカ円盤(レンズ用:デザインによりますがウチは直径48mmのものを使っています。セミオーダー使って頼むと楽です)
- ハトメ(オプション:デザイン用)
革とレンズが高いですが、大体1製作1万円前後くらいでいけます。
型紙作り
型紙を作ります。想像から起こすのはプロ以外おそらく無理なので、我々はまず粘土で型を作りましょう。

気のすむまで粘土で形を作っていきます。彫塑用粘土ならば、濡れタオルを被せておけば数日は調整可能なので、気のすむまで形を作りましょう。楽しい。

型が固まったら、マスキングテープをベタベタ貼って覆っていきましょう。そして、実際の革細工をするときに縫い合わせる事を意識して、テープに切り取り線を入れていきます。この線が入った場所に縫い目 or カシメ留めをするイメージです。ペストマスクおでこ部分・顎部分、左顔面と右顔面の4パーツくらいになると思います。最後にこの線に合わせてマスキングテープをデザインナイフやカッターナイフで切断します。切断したものを画用紙に貼って、それを切って型紙とします。

この時、革が重なる場所は縫いしろに少し余裕を持っておきましょう。そして型紙を組み合わせてみてみて、大体の形になるかを確認します。
なお、革は若干なら曲がったり伸びたりするので細かく気にしすぎなくてもいいです。なんとかなります。また、右顔面と左顔面部の型紙は、どちらかバランスが良い方を左右裏返して利用すると、左右の偏りの心配が少なくなります。全体のバランス見て判断しましょう。
革を切る、加工する
革をパーツごとに切り出したり、穴あけ加工します。
型紙に合わせて革を切るために、まずは切るための目標線を書いていきます。革を裏返し、型紙を上に載せ、目打ちを使って傷をつけていきます。後でこの傷に沿って革を切ります。
次は先ほど書いた線にそって革を切っていきます。革は硬いので、別たちというカッターを使って切ります。握りこんで慎重に力を入れて切っていきます。なお、別たち含めこれ以降道具の細かい使い方はネットを探してもらってプロのページや動画を参考にしてください…。
次に、縫う場所に目印の線を入れます。ステッチングルーバーを使い、革の表面に傷を入れていきます。縁から3~5mm程の所に傷がつくようにルーバーを調整して、画像のように線を入れます。
線を入れたら次は縫い糸を通す穴をあけていきます。糸を通す穴は間隔が揃っていた方がきれいなので、まず菱目打ちで等間隔に点を打っていきます。
点に合わせて菱ギリで穴をあけていきます。力が居るので、下に厚めのゴム板を敷いて上から思いっきり力を入れて穴をあけていきます。穴あけ道具はひし形になっているので、縫う方向に対して若干斜めに穴を開けていきます。
最後に穴あけとへりを滑らかにします。写真が残ってなかったので以下は固定具の穴をあけてヘリを落としているときの画像になります。カシメを打つための穴(これはカシメによってサイズが決まっています)をパンチであけていきます。また、ヘリ落しを使い、革のヘリをガリ~~~っと削ります。これで革の切り口が丸くなります。その後にヘリ磨きを使い摩擦でヘリをこすりまくり、滑らかにします。写真のベルトの縁を見てもらうとちょっと光沢が出ていると思いますが、ヘリ磨きをしたのがこの場所のようになります。これをやっておくとちょっと製品感が出てテンション上がります。
縫い合わせ
次は縫い合わせです。革には同じ間隔で穴を開けているので、お互いの穴と穴を一致させ、そこに糸を通していきます。縫い方は「革 縫い方」で検索してもらうとプロが解説しているのでそれを参照ください…。糸は長めにしておかないと途中で長さ足りなくなって悲しいことになります。また、この時点ではロウでベトベトしますが後で掃除するので一旦無視で大丈夫です。縫い終わったら糸の終端処理をして、蝋に着火し糸を少し焼いて抜けないようにしておきます。
また、画像と順番前後してしまいますが、レンズ部は円形カッターを使ってリング状に切った革に穴を等間隔に開けたアクリル円板を縫い付け、画像のようにしておきます。革側には外側と内側の2ラインの縫い穴を用意しておき、中側はレンズを縫い合わせる、外側はペストマスク本体と縫い合わせる形となります。縫う要領は革を縫うのと同じです。レンズは接着なども試したのですが、この方法が一番ガッチリ固定できて見た目も良いので、面倒くさいですがこっちをおすすめします。目を黄色くしたかったので、下の写真ではプラスチックレンズの裏側に塩ビのカラー板を一緒に縫い合わせています。ただこれをやると隙間が息でめっちゃ曇ったのでオススメしません…。
カシメ・ハトメ打ち
次にカシメを打ちます。穴の上下からカシメのオスメスを挿し、下にカシメ台を敷き上からカシメ棒をあてがいハンマーでガンガン叩いて固定です。写真ではハンマーを使っていますが、途中からハンドプレス機を使ってました。飾り用のハトメも同様の要領で打ち込みます。ここが一番楽しい作業。細かいやり方は以下略
成型
ここまでやると形になりますが、以下のようになんか…なんか丸い…という感じになります。
革は水で塗らすと柔らかくなり、乾くとその形で固まります。それを用いて形を整えます。とりあえず思いっきり水で濡らしてフニャフニャにし、指でつまんだり押し込んだりしてエッジを立たせたり凹ませたりしてカッコよくします。この工程までくるとだいぶキリッとした顔つきになりました。鼻の付け根の部分を立たせて、目のレンズを正面向ける形に成型するとカッコ良い感じになる気がします。あとは乾かせば形がピシッと決まります。気に入らない形で固まった場合はまた水につけて何度かやり直せばOKです。
ベルト付け
最後にベルト付けです。ここは最初の設計時に本当は考えておくべきところだと思うんですが、自分は形が出来てから適当につけてしまっています。基本戦略としては、2点固定だとずり落ちるのは狐面作りで経験済みなので、マスク上面にもベルトを生やして以下の写真のように3点固定とすることで位置ずれを防ぎます。なんの説明にもなってないですが、ここは実際自分の顔につけてみて、大体こんなもんの長さだなって感じでメジャーで計って各ベルトの長さを毎回決めています。上部ベルトは長過ぎたら後ろでくるくるして調整します。まぁどうせフードとか上に被る感じになるから雑でいいんだよ雑でというスタンス。
ベルトのパーツはベルト革を切り出して作ります。片方にはベルトのバックルを作り、もう片方はバックルの固定穴を沢山あける感じです。ベルトのバックルとかは作り方がネットにたくさん事例があるのでご参照ください。なおバックルの種類として口型というのと日型というのがあるのですが、画像にある日型タイプにしておくとサルカンというパーツを作らないでも済むので楽です。
そしてこのパーツをペストマスクとの接合パーツと組み合わせます。(さっきの画像で出てきたやつ)接合パーツはペストマスク側が3点留め、ベルト側が2点留めとしています。
また画像使いまわしですが、接合パーツとペストマスク両方にカシメ用穴を開け、カシメで固定します。位置決めは結構ザックリな感じでやってます。この辺ちょっと画像残ってなくて説明雑で申し訳ない。
完成
できました。 鼻の部分はクロスステッチにして若干の性別不明感を出してみました。
改造
そして出来たはいいのですが、とにかく曇る。息がしづらい、など呼吸に関する部分でちょっと辛い感じがあります。というわけで改造。空気の逃げ道がないのでまず目に入りにくい下部に穴をあけます。
しかし、それでも空気が出て行かない。穴が小さいのが原因ですね。というわけで強引な解決法としてバッテリーを仕込みUSBファンを内蔵しました。グルーガンで適当にくっつけました。だいぶ曇らなくなって快適に。見た目アレなのと若干うるさいけどまぁ、良し。






















